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ボックスシーツの縫製を写真で解説

製造基準

WRITER
神谷阿紀(店長)
ボックスシーツの縫製の説明

ベッドのマットレスに被せるシーツのことを、ボックスシーツと呼びます。箱型になっていて、マットレスの下に折り込まれる部分にゴムが付いています。

ボックスシーツがどのように縫製されているか、写真で解説いたします。

生地端はロックミシン仕上げ

裁断時の生地の切り端は、そのままだと織り糸(編み糸)がほつれてくる可能性があります。
特に、洗濯では生地が強く揉まれるため、その衝撃でほつれる可能性が高くなります。

糸くずがポロポロ出てくると、誤って糸を引っ張って生地を傷めたり縫い目を切断したりする恐れがあります。

そこで、生地端はロックミシンでかがり、ほつれ難くしています。

生地端はロックミシンで始末

ロックミシンは、2本の糸が直線縫い、3本の糸が輪になってかがり縫い。
合計5本の糸で、生地端を始末しています。
いずれの糸もグレードを落とさず、強くて丈夫なハイスパン糸を使っています。
ロックミシンをかけている箇所は、ボックスシーツの高さを出すマチの部分を繋ぐ四か所です。

天地ゴム付き、左右三つ巻仕上げ(オリジナルの縫い方)

ボックスシーツには、丈夫な16コール織りゴムが付いています。
マットレスにゴム部分をひっかけ、あとは左右を整えるだけ。ゴムは非常に伸びが良く、簡単にフィットさせることができます。

当店のボックスシーツは、ゴムを付ける位置に大きな特徴があります。

シーツのゴムは天地のみについている

他店のボックスシーツは、おおむね全周ゴムとなっています。
マットレス下側への折り込み部分に、ぐるっと一周ゴムが付いている形です。

当店では、一周ではなく天地の部分にだけゴムが付いています。
ゴムのない左右は、三巻仕上げという縫い方をしています。

「天地ゴム付き、左右三つ巻仕上げ」は、当店オリジナルの作り方です。

※フリースシリーズのみ、生地の特性上全周ゴムとなっています。

シーツの天地のゴム部分

シーツの左右の三巻仕上げの部分

ゴムが多いと乾き難いよね…

というスタッフの何気ない一言から、この形が生まれました。

全周ゴムの場合、洗濯干しの際に、ゴムが縮こまって重なり合い、乾き難くなることがあります。
そこで、なるべくゴムを使わない方法を考えた結果、このような形になりました。

よろしければ、下記のコラムをご覧ください。

縫製基準ボックスシーツの天地ゴムは職人の何気ない一言から生まれた

ここでポイントなのが、ゴムの強度です。
全周ゴムの場合、ゴムが面全体で支えてフィット感を実現します。
一方、天地ゴムの場合は、局所的なゴムだけで支えてフィット感を実現しなければなりません。

ゴムの使用量を減らすためには、しっかりとずれないだけの強いゴムが必要です。

当店のゴムは、ダメになり難いシーツ用のゴムを、ゴム製造メーカーに特別注文で作ってもらっています。

それでは、ゴムの伸び具合を見てみましょう。
何も力を加えずただ持っただけの状態がこちら。
ボックスシーツのゴムを引っ張る前の状態

ゴムがこれ以上伸びないところまで引っ張った状態がこちら。
ボックスシーツのゴムを引っ張った後の状態

およそ2.6倍の伸び率がある丈夫なゴムを使っています。

縫製仕様まとめ一覧

【生地端ロックミシン仕上げ】
全ての商品

【天地ゴム付き、左右三つ巻仕上げ】
フリースシリーズを除く商品

【全周ゴム付き】
フリースシリーズ

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